今週の先取りおすすめ映画レビュー(iEPG対応版)です。2/18(水)13:30からテレビ東京で放送するのでチェックしてみてください。VAIOなど「iEPG」対応のPCをお使いの方はワンクリックで録画予約できます。この映画はコーエン兄弟の作品の中ではちょっとマイナーな存在ですが、個人的にはかなりお気に入りの一本です。1950年代のニューヨークを舞台に、田舎から出てきた全くのおとぼけキャラの純朴な青年(ティム・ロビンス)が、ひょんなことから思いついた「フラフープ」のアイデアで一世を風靡する、というお話。とにかく「発明少年」の喜びみたいなものと、一攫千金のアメリカンドリームという希望が全編に満ちていて、ノリのいいテンポで楽しませてくれます。
コーエン兄弟の作り出した1950年代の超大企業という舞台装置がチープなメタファー(隠喩)に満ちていて、細い点に目を配るといくらでもディティールが楽しめる映画になっています。細長い巨大な会議室テーブルを「滑走路」に見立てて全速力で飛び降り自殺をしてしまう会社社長に始まって、その後の会社を牛耳るポール・ニューマン演じる会社重役は、さながら邪悪な城の最奥に居を構える魔王そのものです。
そして、いつも会社の時計台を整備している製備工のおじさんや、オフィスのドアにラベルを刻印している職人のおじいさんが、実は「会社」という世界における善と悪それぞれの側の裏の「番人」だった、という展開が最高に面白いです。(そういう意味で考えると、会社の中を隅から隅まで駆けずり回っていた郵便係の主人公が運よく社長に就任してしまう、という設定も意味深ですね)最後には死んだはずの社長までが守護天使さながらに光臨してしまう、という始末・・。
それもこれも全てはダメ社員である主人公が、巨大な会社組織の中で悪に打ち勝って、成功を収めるために動いている運命の歯車の一部なのです。まさしくファンタジーと現実が絶妙なバランスで入り混じったお伽話のようなサクセスストーリーですね。
女性新聞記者役で登場する、ジェニファー・ジェイソン・リー演じるちょっとヨゴレな感じのヒロインの演技も見どころで、私はロバート・アルトマンの「ショートカッツ」と、この映画に出てくる彼女の演技を観てからすっかりファンになってしまいました。こういう人を「演技派」と呼ぶのではないでしょうか?まさに「奇跡の降る街」という感じの綺麗なラストシーンも、観終わった後に素敵な気分にさせてくれます。
録画予約する 2/18(水)13:30~15:30放送
風のまにまに号

コメントする