WATARIDORI-鳥の数だけドラマがある

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先日予告した通り、地球環境映像祭の審査上映会に行ってWATARIDORIを観てきたので、早速レビューを書きます。今回アースビジョン大賞を受賞した「ヒバクシャ-世界の終わりに」の感想もまた後日アップする予定です。
WATARIDORIは、大陸から遠く離れた北極圏まで数千キロに及ぶ旅を続ける渡り鳥の生態に迫った映画です。渡り鳥を訓練してカメラや機材に慣れさせることで、観ている観客が鳥と一緒に飛んでいるような、かつてない迫力の空撮影像を実現しています。中でも、まさに鳥の視点になったようにギューンと前方に向かって飛んでいくウォーク・スルーならぬフライ・スルーの映像は本当に圧巻で観ていて気持ちよかったです。とにかく渡り鳥が旅する範囲はものすごく多岐に渡るので、人の住む街中や森の上空を飛ぶかと思えば、地上を歩く人間にはおよそ目にすることがないような断崖絶壁や波のような岩肌が広がる不思議な光景の中を飛んだりします。

個人的には渡り鳥が一種類ではなく、世界各地に100種類以上も存在するというのが純粋に驚きだったのですが、この映画では多種多様の渡り鳥たちの営みと旅路を淡々と映し出します。その有り様は、ひと言でいうと「健気」「ひたむき」。長距離を休みなく羽ばたき続けるのは、鳥と言えどもマラソンの持久走のようにつらい行為だということが感じられるし、寒い雪山や灼熱の砂漠の上も越えなければなりません。一時の休憩のさなかにも、ひとたび危険が迫ればいっせいに飛び立たなければならないのですが、離陸するのもそれなりに助走しなければならず、必死にバタバタやっている姿が印象的です。なにしろ群からはぐれたら命取りですから・・。
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この映画を観ていて実感するのは私たち人間が普段目にする鶴とか雁といった渡り鳥たちの姿が、数千キロに及ぶ長い旅を続けている鳥たちにとっては、本当に一期一会の瞬間なのだということです。そんな一瞬の出会いを私たち人間がどんな風に形作っていけるか、というのがこの映画が問いかけるテーマの一つなのではないでしょうか?鳥の方からすればずっと昔から変わることなく繰り返している同じ旅路だけど、人間の手がかかるとたちまち風景が一変してしまう。大海原の上を進む巨大タンカーが鳥たちの片時の休憩所になっていたり、汚染された工場地帯に水浴びに来た鳥が足をとられて群から置いていかれてしまったりします。
一番ショックだったのは、懸命に旅を続けている渡り鳥を、突如現れたハンターの銃の一撃でいとも簡単に葬ってしまうシーンです。それまで長くつらい旅路を健気に飛び続けている鳥たちの姿を観ていた観客はみな「ひどい!」と感じるに違いないのですが、同時にハンター側の心理である「一羽ぐらい殺しても大した事ないだろう」という感覚も容易に想像ができてしまいます。
この映画にはあまりにもたくさんの鳥たちが登場するので、総出演者(羽)数はそれこそ天文学的な数に及ぶと思われますが、一番最初のシーンで出てくる少年が一羽の渡り鳥の足にイタズラで藻を結びつけるのが一つの伏線になっています。この藻を付けた鳥は、次々とめまぐるしく場面が切り替わる中で時折登場しては、鳥たちの一羽一羽の背景にそれぞれの物語があり、ドラマがあるんだよ、ということを物語っているのです。

全然関係ないのですが、私はこの映画を観ていたら、スピルバーグの「ニューヨーク東8番街の奇跡」という映画を思い出してしまいました。毎日地上げ屋に立ち退き問題で脅されているボロアパートの住人たちが、宇宙から飛んで来た小さなUFO型の機械生命体の親子と交流を深めていく、という物語です。この小さなUFOたちは、カップルで遠い宇宙を旅して子作りのために地球にやって来て、3匹のかわいい子供たちを産み落とすですが、WATARIDORIに出てくる鳥たちもまた、長い旅の目的は遠い故郷で雛を産み育てることです。親鳥の見守る中、必死で崖の上から処女飛行を試みる雛鳥の映像を観ていたら、なんとなく2つの映画がオーバーラップしてしまいました。こういうシーンを見ると思わず頑張れって応援してやりたくなりますよね・・。

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映画の話をしませんか? - 「WATARIDORI」 約束の地へ (2005年5月17日 22:52)

2年前この映画を劇場で観たとき非常に感銘を受けたことを覚えている。 何に? 鳥 続きを読む

BS2で放映していた「WATARIDORI」を、私は偶然見た。 Mは偶然ではなく見た。 珍しく早い夕食を食べながら、だけど。 たぶん、この時間にあわせて、... 続きを読む

コメント(2)

はじめまして葛城です。私はまだ「WATARIDORI」が見れてませんが、この記事を読む限り非常に楽しみです。たまに朝方の夢には飛んでることがありますが、そんな感じなのでしょうか?
次エントリーのブルーナ展も大阪で見ましたが良い展覧会でしたね。友人達もみんなTシャツなど買って帰りました。

葛城さん、はじめまして。
私個人としてはもっと飛行シーンそのものを延々と映して欲しかったのですが、実際には観ている人を飽きさせないためか場面転換が割と多いです。その分、いろいろなシーンに人それぞれの思い入れを投じられる映画だと思うので、大勢で集まって観ても楽しめるかもしれませんね。
一箇所だけ、観ている視点が信じられないほどの動きで宙返りして雲の上まで飛翔するシーンがあるのですが、あれはさすがにCGではないか、と一緒に観た友人と意見が分かれています。オフィシャルサイトにはCGは使ってないと書いてあるのですが・・。

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多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

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