同僚にも嫌われ、意中の彼女には全く相手にされないサエない男の元に、美女の姿をした悪魔が現れて、魂を売ったら何でも願い事を7つ叶えてあげる、と契約を持ちかけます。面白いのは願い事がちょっとずつ叶うのではなく、「お金持ちにしてくれ」と言ったら次の瞬間、お金持ちだった場合の自分にいきなりワープしてしまうところ。まるでドラえもんの「もしもボックス」みたいに架空の世界を作り出してしまうんですね。そうは言っても、「彼女と結婚したい」とお願いしたら結婚してはいるんだけど、全く愛されてなかったり、お金持ちになっても悪いことをして儲けたお金だったので、すぐに仲間に裏切られてしまったりと、一筋縄ではいきません。その度にお願いをやり直して、どうしたら彼女のハートをゲットできるかと模索し続けるので、ある意味「ラン・ローラ・ラン」のようなゲーム感覚のトリップ・ムービーだと思います。
美しすぎる悪魔役を演じるエリザベス・ハーレイがキッチュなキャラクターで、衣装も「奥様は魔女」さながらにコロコロと七変化するので見ていて楽しいし、主役のブレンダン・ブレイザーも架空の世界でマイケル・ジョーダン顔負けのプロバスケ選手になったり、口の達者な超インテリ男に変身したりと、負けずに七変化で笑わせてくれます。このブレンダン・ブレイザーという俳優さん、ダメ男役にしてはガタイがいいし、どこかで見たような顔だなぁ、と思っていたら「ハムナプトラ」に出ている人だったんですね・・。ムチャなコメディが堂に入ってるはずです。ちなみに悪魔役のエリザベス・ハーレイは「オースティン・パワーズ」でおなじみの女優さんです。この2人の掛け合いだけでも面白くないわけがないので、一見B級っぽいポジションのこの映画ですが、掘り出し物の良品コメディでした。
結局は、お金持ちやスポーツマン、インテリになってみても、「天は二物を与えず」のことわざが示す通り、誰しも欠点の一つは持っているもの。魔法で他人の人生に成り代わっても、簡単に彼女のハートを掴むことはできません。それでも、サエない主人公が7つの願いで違う自分を演じる度に、だんだんカッコよく見えてくるから不思議です。「あれも違う」「これも違う」と超特急で違う自分をシュミレーションしながら、「消去法」で本当の自分に目覚めていく、そんなお話だと思いました。
悪魔役のエリザベス・ハーレイが登場する度に「これが悪魔の仕事だから」と言って至る所で小さなイタズラをしているところや、「天国や地獄は、実は地上にあるものなのよ」というセリフが面白かったです。
風のまにまに号

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