「○○力」というタイトルで色々な本を出されている齋藤孝さん。今度の新作は「コメント力」というタイトルですが、私がこの本を見た瞬間に連想したのは何よりもブログの「コメント」のことでした。いくらブログが流行っているからってこんな本が出てしまうなんて・・というのは大きな勘違いで、この本で扱っているのはあくまで日常生活の会話の中で上手にコメントを返す能力のことだったのですが、よくよく考えてみれば他人のブログにコメントを投稿することは元より、自分でネタを探してエントリー(記事)として書くこと自体が「何かについてコメントする」行為に違いないのではないでしょうか?そういう意味では、この本の言うところの「コメント力」というのは、そのまま「ブログ力」と言い換えてもいいかもしれません。
本書の構成としては、コメント力とは何か?、コメント力を磨くことの意義といった基礎的な解説から始まって、実際の優れたコメントの事例集を紹介しながらトレーニングしていく内容になっています。人から話を振られたときに即座に「気のきいたコメント」を返せるか?おいしいものを食べた感想を「おいしい」以外の言葉で表現できるか?この辺りのことを問われると、確かに実践的に訓練していかないとなかなか身につかないかも・・、という気がしてきます。
一番面白かったのは第2章の「コメント力」トレーニング集で、古今東西の「名コメント」たちを集めて穴開き形式の設問で読者に解答を考えさせる、という読んで楽しめる構成になっています。黒澤明監督が残した名言から、ハンフリー・ボガードが映画の中でしゃべった名セリフまで次々と出てくるのですが、ここまで来るとどうやって応用していいものか皆目検討がつかなくなってくるのですが、そのまま暗記しておくだけでも結構役立ちそうな気がします。その他にも、スヌーピーは究極の「コメント漫画」だと看破してみせたり、天才バカボンの不条理世界をコメント力で解説してみせたりと、目の付けどころがユニークですね。
風のまにまに号

コメントする