以前TVアニメの再放送の件で紹介した藤子・F・不二雄先生の遺作「チンプイ」ですが、その後割と入手が困難な単行本「完全版チンプイ」全4巻をYahoo!オークションでゲットしました。落札価格は4600円です。例によって、この値段が高いと見るか安いと見るかは皆さんの判断におまかせしますが、現在は絶版で書店に出回ってない上に、単行本に「チンプイ」と「完全版チンプイ」の2種類が存在するため、どちらを揃えていいのかよく分からない状況になっています。この辺の事情については「藤子不二雄atRANDOM」の解説が詳しいのですが、藤子・F・不二雄氏が予定していた最終2話分を書かずに他界してしまったため、初版「チンプイ」の第5巻は発行されずじまい。それを新たに編纂し直したのが「完全版チンプイ」ということになるので、この「完全版チンプイ」の第4巻というのは特にレアな価値を持っていることになります。
アニメ版の方には独自の設定やエピソードが盛り込まれているので、原作本をひと通り読むことで、作者がこの作品を通して何を云わんとしていたのか、といったテーマ性がより明確になってきます。ほのぼのと心暖まる小品の数々を読み進みながら、ますます私の心に沸き起こってきたのは、「この漫画はドラえもんに似てる」という思いです。もちろんドラえもんと同じように便利な道具や特殊能力で主人公を助ける、という展開は他の藤子マンガでもよくあるパターンですが、この「チンプイ」に至ってはもっとあからさまな共通点が多いのです。逆に言うと、ドラえもんとあえて「正反対」という設定も目立ちます。
例えば、ドラえもんはネコ(型ロボット)ですが、チンプイは実はネズミという設定です。そしてドラえもんの苦手なものはネズミで、チンプイの苦手なものはネコなのです。さらに各々の漫画の主人公である「のび太」と「エリ」の性別が男と女であることを合わせて考えると、作者が意図的にドラえもんを意識して作り出したキャラクターという気がしなくもありません。チンプイとドラえもんは表裏一体・・・チンプイは「女の子版・ドラえもん」と言うこともできるし、藤子・F・不二雄先生が最後にドラえもんの世界をもう一度描き直した「ポスト・ドラえもん」とも言える存在なのではないでしょうか?
そんな「チンプイとドラえもんの不思議な関係」については、また後日別エントリーで詳しく書いてみるつもりです。世間ではドラえもんの声優交代のニュースで大わらわですが、私の方は相変わらずひたすらに過去の作品にこだわって考察を続けてみたいと思います。
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