
品川のアイマックスシアターで「ポーラー・エクスプレス」の3Dバージョン(ポーラー・エクスプレス:An IMAX 3D Experience)を観てきました。最初はトム・ハンクスの1人5役がやり過ぎだ、とかCGキャラクターの表情が不自然だ、といった前評判が気になっていたのですが、なんとこの映画には立体メガネをかけて観るタイプの3Dバージョンがあるらしい、と知った瞬間にそんなことは全部ふっ飛んでしまいました。ただえさえ綺麗で幻想的なCG映像が、立体になって迫ってくるのだから言うことはありません。おまけに子供に夢を与えることでは信頼も実績もあるロバート・ゼメキスが監督なので、安心して「絵本の世界」に浸ることができたのですが、もちろんエンターテイメントとしてのサービス精神も忘れずに、予想以上にトラブルの連発に終始ハラハラさせられる「ジェットコースター・ムービー」に仕上がっていました。前半の暴走する汽車に乗ってのアクション・シーンなど、「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」の続編を観ている気分でしたよ・・。
「ポーラー・エクスプレス」は、日本でもおなじみの「急行『北極号』」(村上春樹・訳)という絵本が原作で、今回のCGによる映画化は、暖かみのあるこの絵本の挿し絵のテイストを可能な限り忠実に再現した感じになっています。絵本版では数十ページしかない挿絵のカットは、ほとんどそのまま登場していて、絵本では描かれていないお話の間々に盛りだくさんの冒険エピソードが詰め込まれています。例えば列車「ポーラー・エクスプレス」の登場シーンでは、『白い蒸気がカーテンのようにまとっていた』という表現があるのですが、この映画のシーンを見ると本当に「カーテンのように」包まれた蒸気からスーッと汽車のシルエットが浮かび上がる瞬間を目にすることができます。昔からの絵本のファンだったら「こういう感じだったんだ!」と思わず興奮してしまうのではないでしょうか?
急行「北極号」
クリス・ヴァン・オールズバーグ (著)、村上 春樹 (翻訳)
サンタクロースの存在を疑い始めた主人公の男の子が、突然現れた列車「ポーラー・エクスプレス」に連れられて、サンタの故郷である「北極」へ旅をする、という物語。原作の絵本の方でも、サンタのおもちゃ工場があると言われている北極の情景を、きらびやかな「巨大都市」として描いてしまうなど発想がとてもユニークなのですが、この映画ではその設定をさらに押し進めて、ハイテク技術の粋を尽くしたサンタ工場を細部に渡って「社会科見学」することができます。世界中の子供にプレゼントを届けなければならないのだから、それこそ「子供だまし」じゃなくって、それ相応の規模と設備がなければとても賄えないはず。(当然それを収容するサンタの袋の「大きさ」も・・)
楽しいだけの映像ではなく、そういった現実的な説明をビジュアライズしてあげることで、夢を信じる子供の想像力を「補強」することに一役買っているのではないでしょうか?私自身、子供の頃に「サンタクロースの実現可能性」については色々と考えをめぐらした経験があるので、この映画のようにその時代時代に応じたサンタ・ストーリーの「描き直し」はとっても重要だと思っています。

個人的に一番おすすめしたいのは、やっぱり立体メガネで楽しめる3Dバージョンなのですが、日本では品川プリンスシネマのアイマックスシアターでしか見れないらしいので、品川まで観に行ってください、としか言えません・・。機関車の舳先が目の前ギリギリの所まで迫ってきたり、風に飛ばされた乗車チケットがこれ見よがしに手の届きそうな所でヒラヒラ舞っていたりと、とにかく3D向けのリップサービスが満載なので、一度3Dで観てしまうと2Dで観るのが考えられなくなってしまうのです。
ただでさえリアルなCGが、完全3Dの立体空間で迫ってこられたら、「映画の中のリアル」と自分たちのいる現実との距離感をどう取っていいのか戸惑ってしまって、上映終了後などはしばらく呆然自失状態でした。映画のストーリーの中でも、「信じる」ことがテーマになっているわけですが、このリアル過ぎる映像世界をどういう風に「信じる」べきなのか、ということも観る人にとっての大きな「問いかけ」として投げかけられている気がしました。
ともあれ、最先端の映像エンターテイメントを体験したい、という方にはどなたにもお勧めできる一本です。今の時代に生まれて良かった、と思えることは受け合いです。ディズニー・シーに行っても、愛知万博に行っても、こんなにすごい映像体験はきっとできないと思いますよ。


これが3Dメガネ。館内の入口で配られます。サイズ別に男性用・女性用・子供用がありました。


「3Dバージョン」のシール入りのポスター(左)。品川アイマックスは館内も綺麗で、スクリーンがとてつもなく大きく高さがあるのでビックリしました。
風のまにまに号

こんにちは!
息子もずっとこの映画を見に行きたいと言っています。
3Dなんてすごい!さっそく映画館探さなきゃ!と思ったら・・日本では唯一、品川ですか~~。とほほ。
新幹線に乗ってまで見にいけませんので、今回は2Dを見に行って来ますね。