昨日コンビニで見かけた「IKKI」という漫画雑誌の表紙から、「館」・・「殺人」という単語が目に入ったので、発作的に手に取ってしまったのですが、よくよく見てみるともっと大事なことが書いてありました。「佐々木倫子×綾辻行人」ということで、この2人のコラボレーションによる新感覚のミステリ漫画「月館(つきだて)の殺人」の連載がスタートするということでした。綾辻行人の「館」シリーズが読みたくて仕方なかったため、半ば禁断症状気味に「館」という文字に反応してしまったというのに、一癖も二癖もある漫画家・佐々木倫子の漫画とセットで楽しめるなんて、これは思わぬ収穫です。さらにこの号は特別オマケ付きということで、これからこの漫画の主人公たちが乗ることになるミステリー・トレイン「幻夜号」の乗車チケットと、暗号入りの特製コースターが付いてくるそうです。綾辻行人のサイン入りだし、これはまず手に入れておいて損はない、とその時には迷わず手に取ってレジに進んでいました・・。
綾辻行人は言わずと知れた新本格・推理小説の若き巨匠、佐々木倫子は「動物のお医者さん」や「おたんこナース」で有名な人気漫画家ですが、この2人の接点となると実際のところ全くイメージが湧きません。ちょっぴり猟奇的で解決不能な殺人事件の中に、緻密に計算された一筋の光明を見いだしてみせる綾辻行人のエキセントリックな作風と、ひたすら朗らかでユーモラスな人間描写の中に丁寧な内面心理を描いていく佐々木倫子のテイストは、およそかけ離れたパラレルなところにあるように思えるので、巻頭の挨拶文で綾辻氏も述べているように、この2つの融合がどんな結果になるかは全く想像ができません。
ただ実際の作品を読んでみた限りでは、どんな原作であろうと独特の佐々木倫子ワールドに取り込まれてしまい、殺人ミステリのおどろおどろしい部分がいい意味で中和されてしまうんじゃないか?という綾辻氏の読みはほぼ当たっているような気がします。
<あらすじ> 列車嫌いの母の影響で一度も電車に乗ったことのない女子高生・空海(そらみ)は、唯一の肉親だった母を亡くして身寄りがなくなったと思っていたところ、突然資産家の祖父の存在を知らされて、彼に会うために北海道へ渡ります。そこでトラブルに巻き込まれながらも、祖父の住む「月館」へ向かうため乗ることになるのが、幻想的な雰囲気に包まれた列車「幻夜号」だったのです・・。
一応「鉄道ミステリ」ということなので、これからこの列車の中で不可思議な事件が起こることになりそうですが、なにより降りしきる吹雪の夜に「幻夜号」が姿を現わすシーンが実に幻想的で、まるでこの間観に行った「ポーラー・エクスプレス」のひとコマを思い出させます。「北海道」という舞台設定だからこそ許されるダイナミックな演出ですよね。
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オマケの方も、乗車切符にちゃんと「12月25日乗車」と刻印されているところが芸が細かくていいですね。雑誌の発売日からリアルタイムで感情移入できる臨場感があります。コースターの方は、オリジナルグッズという感じでそのまま使ってもいいのですが、裏面の4隅に暗号の文字が書かれていて、正しく台紙にはめ込むと、漫画の中の謎解きのヒントが現れる仕掛けだそうです。といっても、こちらの方は難しすぎて今のところさっぱり見当がつきませんが・・。
※それにしても、この鉄道グッズのマニアックな完成度の高さは、同じく「IKKI」に連載されている鉄道マンガ「鉄子の旅」の影響を感じさせなくもありません。
風のまにまに号

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