雨やあられの降り注ぐ中、11個もの水門を次々に突破してようやく小休止、という頃には嘘のように雨が上がってしまい、カラリとした晴れ間があたり一面に広がっていました。こんな具合だから、イギリスと山の天気の変わりやすさには着いていけません・・。淳子さんとの事前の打ち合わせでは、この日は途中で通過するウィルムコート(Wilmcote)という町で買出しを行い、1日目の夕食は船内のキッチンで自炊する予定になっていました。そのため、橋の近くでウォーキーズ号をいったん係留し、3人で道路を歩いてWilmcoteの町へと繰り出しました。この近辺では一軒しかないという雑貨屋さんで食料を買い込み、ついでに隣にあるパブで「お疲れさま」の一杯を軽く引っかけて行こう、という段取りです。Wilmcoteには、シェイクスピアの母親であるMary Ardenの家があることでも知られていて、ストラトフォードのシェイクスピアの生家を始めとした「ゆかりの地」めぐりのコースに組み込まれています。
Wilmcoteの町並みは、本当に瀟洒でかわいらしい家々が立ち並び、英国カントリーサイドの風景をイメージどおりに体現しています。絵本に出てくる「ちいさいおうち」そのまんまのような小さな家や、きれいに手入れされた庭を目にすると、実に居心地よさそうで羨ましい気持ちになります。


シェークスピアの母マリー・アーデンの家(Mary Arden's House)は、外観こそシェイクスピアの家と同じ格子模様に縁取られたオーソドックスな造りの建物でしたが、こちらは農家だけあって、裏には広大な庭や農場、納屋などが広がっていました。今回はチラリと覗いただけでしたが、こういった古い農家をじっくり見て回るのも面白いかもしれません。


こちらがWilmcoteの雑貨屋さん。野菜や果物、食料品に加えて日用品などなんでも取り扱っている、要するに何でも屋さんですね。こんなところでも、ワールドカップに向けたイングランド応援グッズが売られていたりするのが、印象的です。こちらで野菜や缶詰などの食料品を買い込むと、帰り道にある大きなパブでビールを頼んで、ひと息つきながら3人で乾杯・・。一仕事した後のビールはおいしく、パブの庭から見上げた青空はひときわ綺麗でサワヤカでした。




買出しを無事終えて再びウォーキーズ号へ。もう夕刻なので、明日に備えて停泊するためのポイント探しのクルーズです。ストラトフォード運河をしばらく行くと、一面を羊の群れが覆い尽くす、羊たちの牧草地へと差しかかりました。私たち2人が羊を見てしきりに喜んでいると、「じゃあ、今夜はここで停泊することにしましょう」という話になりました。運河を挟んで目と鼻の先に向かい合う子羊の顔はかわいかったし、田園風景いっぱいに広がる羊たちの姿は本当に神秘的でした。こんな大勢の羊たちに囲まれて一夜を過ごすなんて、ナローボートじゃなければ決してできない貴重な体験ですね・・。


夕食では、harukaさんと淳子さんが共同で作った炒め物とサラダに加えて、日本から持ち込んだ赤米入りコシヒカリや味のり、みそピーナツなどもイギリスの食材とマッチして非常に美味しくいただきました。私たち2人が新婚旅行ということもあって、淳子さんからワインのお祝いなどもいただき、本当に思い出に残る一夜となりました。夕食を食べ終わった頃には、ようやく暗くなったばかりでまだ9時ごろだったと思いますが、この日はすっかり疲れてしまって2人とも途端に眠りについてしまいました。(続く)


風のまにまに号

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