10/14から公開予定の映画「アタゴオルは猫の森」の試写会に行ってきました。ハウスシチューのCM等でもおなじみの、猫のヒデヨシを主人公にした、ますむらひろしの漫画作品をフルCGで映画化したというこの作品・・。その独特なファンタジー世界をどんな風に映像化するのかも興味深々でしたが、物語の舞台となるアタゴオルやヨネザアド大陸といった地名が、harukaさんの故郷にもほど近い山形県の米沢市や愛宕山(あたごやま)を由来にしているというのだから、ますます気になります。この夏に訪れた山形の自然を思い出しながら、奇想天外な物語世界に浸ってみました。映画は年に一度のお祭りのシーンから始まり、石井竜也プロデュースのロック・ミュージックに合わせて、ヒデヨシを始めとした猫たちや人間たちが総出演で踊りまくる、というハイテンションのオープニングにまず圧倒されてしまいます。80分という短い時間に詰め込んだだけに、物語の説明や演出面など足りない点もいくつか感じましたが、この得も言われぬトリップ感覚と、ヒデヨシというキャラクターの持つ強烈な個性が原動力のこの作品、見終わった後に超ポジティブな気分にさせられること請け合いです。
<あらすじ> いたずら者のヒデヨシが偶然封印から解いてしまったのは、強力な魔力を持つ植物の女王ピレア。世界を「やすらぎ」と「秩序」で支配しようとするピレアは、アタゴオルの猫や人間たちを安らかな植物へと変え、その生命力を奪おうともくろみます。冷静沈着なギルバルスやテンプラたちが必死に対抗手段を講じようとする中、どこまでも自分勝手なヒデヨシは足を引っぱるばかりでしたが、唯一ピレアに対抗する力を持つ存在・ヒデコは、なぜかヒデヨシを父として慕うことに・・。
夏木マリや谷啓といった名優たちの吹き替えがいい味出している上に、ピレアが歌声によって人の心の支配する様子を、映画ならではの表現で描いているところは、石井竜也による全曲プロデュースという面がうまく活きていて、なかなかの壮観です。どこまでも賢くてクールな猫のギルバルスは、ほんとにカッコいいし、「銀河鉄道の夜」のときのカンパネルラもそうだったのですが、思わず「こんな猫が本当にいたらいいな~」と思ってしまいます。それにしてもヒデヨシやギルバルスの持つ不思議な力には、まだまだ謎がいっぱいですが・・。
ピレアの「やすらぎ」による支配は、昨今の「癒しブーム」に代表される現代人の心の隙間をうまく表現していると思うのですが、ギルバルスが言うように個性と主体性の喪失は生命にとっての死に等しい・・。秩序と正反対の「混乱」を常に巻き起こすヒデヨシの存在は、私たちの心に大切な何かを徐々に思い出させてくれるようです。『オレたちは、トコトン生きるために生まれてきたのよお!』食べることと楽しむことしか考えていないヒデヨシのこんなセリフが、いつの間にか正論に聞こえ始めてきたら、アタゴオルの魅力に取りつかれた良い証拠。最近仕事に疲れ気味で・・、なんていう方は、この映画を見てヒデヨシのポジティブなパワーを受け取ってみてはいかがでしょうか?
ますむらひろしさんの出身地である米沢市には、アタゴオルの壁画や猫の目時計など、アタゴオルにちなんだ名所も色々とあるそうです。山形に行かれる際は、ぜひ川西町のひょうたん島ツアーと合わせて、めぐってみることをオススメします。それより何より、山形の大自然や星空などをせいいっぱい味わうことが、アタゴオルの世界へ入門する一番の近道だと思いますが・・。
風のまにまに号

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