筒井康隆原作の映画化作品「パプリカ」を観てきました。原作が荒唐無稽な至極のエンターテイメントだっただけに、あれをどこまで映像化できるのか?という点で興味がつきないこの作品でしたが、美麗なグラフィックに未来っぽいテクノサウンドが相まって、いい感じにパプリカ・ワールドを再現できていたと思います。何より夢の中なら誰よりもチャーミングで頼もしいパプリカのキャラクターが最高で、普段のクールな研究員・敦子との対比がすごくうまく出ていたと思います。原作との細かい相違点は色々とあると思うのですが、一番大きな違いは敦子とパプリカを全くの別人格として描いている点ではないでしょうか?小説を読んだときには感じなかったのですが、こうして見るとまるでクリィミーマミみたいな魔法少女の系譜としてのパプリカが、内面的に成長していく物語という風に捉えることもできるんですね・・。他人の夢に侵入するテロリストたちとの、深層心理下での手に汗握る攻防戦は、とにかく迫力満点です。
天才科学者の時田浩作に、夢の中なら無敵のヒロイン・パプリカ・・・といったように人間離れした人物ばかりが登場するこの作品の中で、最も人間くさい役を演じている粉川刑事こそが、物語のキーとなる存在だといえるでしょう。とってもダンディで憎めないキャラなのだけど、凡人であるがゆえに普通に悩みをかかえ、普通にパプリカに恋してしまう粉川刑事の姿は、何も知らずにこの映画の世界に足を踏み入れる私たちのよきガイド役となってくれるのです。そういう意味では本当によく活躍し、楽しませてくれた粉川刑事には心から拍手を送りたいと思います。
そして映像的に楽しかったのは、コロコロと自在に姿を変えるパプリカの変身ぶりです。侵略された夢の中で、ティンカー・ベルになったり、孫悟空になったりしながら、必死で敵の魔手から逃れる姿はビジュアル的にも刺激たっぷりだし、私たちにとって日頃のイメージの大切さを教えてくれているような気がします。夢の中でどんなに危機が迫っても、「妖精」や「天使」というイメージの雛形がなければ、パプリカがそこへ逃げ込むことができなかったのだから、幼い頃から絵本や童話に親しんで想像力を育むのも捨てたもんじゃないな、と思うのです。
1点残念だったのは終盤の『夢が現実を浸食する』というクライマックスのシーンで、やや説明不足に感じられたことです。原作では夢が夢を浸食する過程を段階的に描いていきながら、そもそも私たちが夢として認知している事象は、現実で体験している事柄と大差ないのではないか・・?という論理的な飛躍を、ストーリーの力で飲み込ませてしまっているような醍醐味があるので、ここはもう少し時間をかけて描いて欲しかった気がしました。その反面、映画の冒頭で粉川刑事が語っているように『夢=映画』という切り口でいえば、次々にカット割りで場面転換する手法は、スタイリッシュに仕上がっていたのかな、と思います。
風のまにまに号

youthkeeさん、またまたこんばんは。
次の「ホームズ本」の記事で、この「風のまにまに号」に辿りついたYuseumですが、前記事が「パプリカ」となっていたので、またまた(!o!)オオ!と思って、こちらにもコメントしました。
本当は川崎のチネチッタで見たかったYuseumですが(・・・ということは、youthkeeさんと住んでいるところも近いのですf^_^;)、普段映画慣れしていないYuseumは、テアトルでしか観られないチケットを買ってしまっていたので(__;)、後日テアトル新宿で鑑賞しました。
「パプリカ」の原作は読んだことがないのですが、筒井さんの作風は好きだし、今敏監督のアニメーションのファンなので、期待に胸を膨らませて見ていました。
まず、見終わった後の感想は、素直に「面白かった」!
そして、「映画って素晴らしい!」と感動してしまいました。
今監督独特の映像美が遺憾なく発揮された作品だと思います。
P.S. 「クリィミーマミ」、懐かしいですね(*^^)v
子供の頃、(男のくせに)妹が見ていたためなのか、ほぼ全話見ていたと思います。
うろ覚えですが、ストーリーの中盤で魔法のステッキが石になって使えなくなったシーンに、ハラハラしたような記憶が・・・。
「デリケートに好きして」、好きでした♪