蒼き狼 地果て海尽きるまで

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movie_aokiokami.jpg3/3から全国ロードショー公開される「蒼き狼 地果て海尽きるまで」のワールドプレミアへ行ってきました。舞台上にモンゴルの騎馬兵団が大集結してのオープニングも圧巻でしたが、何より角川春樹氏の本作にかける熱い思いと、「男のロマン」の実現化というストレートなメッセージ性がありありと伝わってくる、そんな舞台挨拶でした。チンギス・ハーンの話については、井上靖の「蒼き狼」の頃から読んでいるので、こちらもほぼ熟知していたのですが、知らない人が見ても非常に分かりやすく、一人の人間としてのチンギス・ハーンの心の葛藤に、誰しも感情移入できる内容になっていたと思います。ストーリーの運びや演出は至ってオーソドックスなものの、とにかく目を奪われるのが、広大なモンゴルの草原での騎馬戦のシーンや、エキストラ2万7000人を動員したというハーン即位式のシーン・・。へたにCGを使ってないだけに、「一体どうやって撮ったんだ!?」と純粋に度肝を抜かされます。話としては知っていても、今までこれだけのスケールで映像化した人はいなかったのだから、これはもう天晴れという他ありませんね。

<あらすじ> モンゴルをはじめ北方に群雄割拠する騎馬民族たちは、女を戦利品と見なすので、相手の妻を奪ったり奪い返したりといったことが日常茶飯事。自らもそんな渦中で生まれたテムジン(チンギス・ハーン)は、自分が気高いモンゴルの血(蒼き狼の血)を引くのか、汚れた他民族の血を引く者なのか自信が持てず、戦に勝ち征服し続けることでしかそれを証明できません。そして皮肉にも、自分の妻ボルテを他の部族にさらわれてしまい、その直後に生まれた長男ジュチを、素直に我が子(蒼き狼の血統)と認めることができないのでした。

最初、日本人キャストだけでモンゴルの映画を作るのは無理があるんじゃないかな~、と思ったのですが、実際見てみると出演している男性人は皆ワイルドでほとんどモンゴル人みたいだし、華奢すぎると思えた菊川玲も、あの福々とした顔がだんだんと「モンゴルの女」らしく見えてくるから不思議です。

反町隆史演じるテムジンは、残虐な一面を秘めながらも、心やさしく人望の厚い男として描かれていて、特に幼い頃に盟友(アンダ)の誓いを果たしたジャムカ(平山祐介)との友情物語は、見ていて清清しい。はじめは亡き父の盟友でもあり、狡猾な古狸トオリル・カーン(松方弘樹)のサポートがなくてはやっていけなかったテムジンとジャムカが、次第に頭角を現しそれぞれ一大勢力となっていく姿は、まるで若きベンチャー・ビジネスの成功譚のような面白さがあります。

そんな男たちの活躍の反面、ちょっと物足りなかったのが女たちの描かれ方です。戦に出るテムジンに代わって家を守る、母ホエルンと正妻ボルテの頼もしさは何物にも代えがたいのですが、女たちの主張や女同士の確執といった面が弱かったように思うのです。第2夫人(?)のクランが女戦士だったというのは全くの創作だと思うのですが、「私はおまえの女にはならん」と言ったと思ったら、次の瞬間「なぜ私を抱かない?」なんて言い出す始末・・。一夫多妻制や後宮(オルド)といった背景が映画の中で説明されていないので、これでは全く意味不明なラブ・ロマンスと映ってしまうのではないでしょうか?

そんなわけで、よくも悪くも「男の映画」であることは間違いないこの作品、決して老若男女におすすめできる世界観ではないのかもしれませんが、その圧倒的な映像美と迫力は一見の価値ありだと思います。オールモンゴルロケの持ち味は、ふとした何気ないシーンで出てくる「空の広さ」を見るだけでも一目瞭然・・。私も数年前に内モンゴルに旅行に行ったことがあるだけに、この空と草原の雄大さはお墨付きですよ。

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多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

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