
5月からNHKで放送が始まったSFアニメ「電脳コイル」
を録画して見てみました。202X年の近未来、世界中の人々は『電脳メガネ』と呼ばれる眼鏡型デバイスを身に付けていて、携帯もインターネットも全て電脳メガネを通して情報を引き出し利用している・・。現実世界と電脳空間が完全にオーバーラップしているため、主人公ヤサコ(優子)が連れている犬のデンスケも、メガネを通して見ないと目に見えない『電脳ペット』だったりと、かなり独自のテクノロジーが蔓延しています。それでも物語の舞台となる大黒町は、神社や駄菓子屋といった昔懐かしい日本の風景が広がるほのぼのとした街並みで、次々に登場するSFモチーフとのギャップがまた絶妙な味わいとなっています。元気いっぱいの姉妹が引っ越してくるところから話が始まり、ススワタリみたいな電脳ペットに出会ったりと、思わず「となりのトトロ」を彷彿してしまう部分が多いのですが、毎回先の読めない展開に目が離せません。『ドメイン』とか『メタタグ』とか、IT用語がさりげなく頻出するので、PC好きの方やIT戦士にもぜひおすすめです。
物語は基本的に主人公ヤサコ(優子)が所属し、様々な電脳トラブルを解決するコイル電脳探偵局と、貴重な『メタバグ』を手に入れるためなら手段を選ばない『暗号屋』イサコ(勇子)、との間の争奪戦といった形で繰り広げられるのですが、様々な電脳アイテムを使って暗躍する彼らにとって一番の脅威となるのが、町を徘徊するサーチマトン『サッチー』の存在です。
「ぼくサッチー、よろしくね」というセリフを連呼するかわいいいでたちとは裏腹に、大黒市の空間管理室が導入したウイルス駆除ソフトであるサッチーは、街中の電脳空間をサーチしてバグを見つけたらただちに修復する・・。ただし、ほんの少しのバグも見逃さないため、子供たちの連れてる電脳ペットや電脳おもちゃまで無差別に標的にしてしまう、という諸刃の剣なのです。


そんなサッチーが唯一立ち入れない、守られた空間が神社の鳥居の中だったりするのがまた面白い設定だと思うのですが、セキュリティレベルを上げたが故にかえって暴走してしまうオートマトンという構図は、私たちの近い将来の悪い未来予想図を見ているようで、空恐ろしいものがあります。情報漏洩の危険性がささやかれる今日ですが、国家や権力がむやみに監視を強めたら、子供たちにとっても住みにくい社会になってしまうのは避けられないのかもしれません。
それでも、駄菓子屋で買い込んだ電脳アイテムを駆使して、日々たくましく様々なトラブルを乗り越えていくヤサコたちの姿を見ていると、昭和の時代と何も変わりなく子供たちは自分の人生を生きているものだと実感させられるし、大人の社会の都合とぶつかり合うところにも共感を覚えるものです。それにしても、何をするにも電脳メガネが手放せない電脳キッズの彼らでも、ご飯を食べるときだけはメガネをはずすんですね~。
<関連サイト>
・「電脳コイル」公式サイト
風のまにまに号

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