スカパーのスーパードラマTVで放送中のドラマ「HEROES」が最近佳境に入ってきて面白い。ある日世界中のあちこちで同時多発的に超能力に目覚めた主人公たちが、ニューヨークを襲う未曾有の大惨事を阻止するべく奮闘するというストーリー。こう書いてしまうと、普通のヒーローもののように聞こえるのですが、彼ら一人一人が普通の生活を持っていて、自分の能力に戸惑いを感じこそすれ、およそ一致団結しようとはせず、バラバラに行動するのだから、一筋縄ではいきません。そんな一見ちょっと不思議系ホームドラマを、一本の糸に紡いでいるのが、未来を予知するアイザックと、時空を操るヒロという2人の存在。時間の前後関係すら平気で超越していまう、ダイナミックなストーリー展開が、思わずくせになってしまうシュールな魅力なのです。
時空間をねじ曲げることができるヒロは、自分の能力をうまくコントロールできず、たびたび過去や未来にタイムスリップしてしまうのですが、それが一見バラバラに見える群像劇を、分かりやすく整理してくれる『ダイジェスト』的な役割を果たしていたり、ついつい続きを見たくなる『予告編』のような側面も持ち合わせていて、視聴者を適度に飽きさせないカンフル剤となっているのです。
彼の能力と、未来の光景を絵描くことができるアイザックの能力が合わさって、はじめて皆を導くガイド役としての機能が動き出すことになります。アイザックが普段コミック作家として描いている漫画に、ヒロが主人公として登場していたりするのも、ちょっと笑える伏線として見逃せないポイントですね・・。


全体的に「LOST」の流れを汲むような、シュールでスタイリッシュなテイストが貫かれているのですが、実際の主人公たちの超能力の設定や、「一人一能力」といった独自のルールは、日本人に馴染みの深い少年マンガの世界観と通じる部分が多いので、漫画世代の人にはすんなりと受け入れられるドラマかもしれません。もしかしたら本当に日本のコミックからの引用もあるかもしれないので、気になる人は細かくチェックしてみてはいかがでしょうか?
HEROESには本当に色々な人物が登場するので、人それぞれのお気に入りのキャラクターやエピソードがあると思うのですが、私が一番グッと来るのは、超能力者でない登場人物が活躍するシーンです。日本から渡米したヒロの旅に同行する同僚のアンドウ君や、不死身のチアリーダー・クレアのクラスメートであるザックは、彼ら自身超能力者ではなく、巻き起こるトラブルに関して部外者であるにも関わらず、友達のために協力を惜しまず、危険な状況に晒されることもしばしばです。


彼らの無防備な状況を考えると、いつもハラハラさせられるのですが、勇気を振り絞って行動する彼らこそ、真のヒーローと呼ぶにふさわしいのではないかと、考えさせられてしまいます。9.11テロに端を発するヒロイズムや、「Xメン」の流れを汲むような差別問題をも内包しつつ、いざというとき家族や友人のために人がどんな行動を取るか・・?そういった等身大の目線にテーマが絞られているところが、人気の秘密かもしれません。
風のまにまに号

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