インディ・ジョーンズ・シリーズの最新作「クリスタルスカルの王国」を観てみました。19年越しの新作ということで、どんな企画倒れになるのかと危惧していたのですが、フタを開けてみるとハリソン・フォードもそれほど老いを感じさせないし、ストーリー的にも映像的にも、昔ながらの王道スタイルをしっかり継承した、旧来のファンにとっても十分安心して楽しめる内容となっていました。そうはいっても、前作から時代は大きく進んで舞台は1957年・・。フィフティーズ・スタイルの若者がクラシック・カーをかっ飛ばしていたり、ジョーンズ博士の前に立ちはだかる宿敵も、前作までのナチス・ドイツ軍に代わって、冷戦直下のソ連軍になっていたりするのを見ると、劇中のこととは言え、隔世の感を否めません。ジョーンズ博士が核爆弾の実験場に迷い込んでしまうエピソードなども印象的ですが、あのインディ・ジョーンズも第二次大戦の荒波を生き抜いたんだなぁ、とすっかり時代の流れを感じてしまうのでした。それでも、およそ時代遅れな、おなじみのカウボーイ・ハットが登場する冒頭のシーンには、ファンなら誰しも拍手喝采を送りたくなるのではないでしょうか?
ふとしたことから共産党への関与を疑われ、大学の職を追われてしまったジョーンズ博士の前に現れたのは、バイクを乗り回し、いつも髪型をリーゼントに決めたティーン・エイジャーのマット。彼の依頼により、クリスタルスカルの謎を調べるうちに、ロシア軍が絡んだ巨大な陰謀に巻き込まれることになります。登場キャラも、「レイダース 失われたアーク」以来のゲスト出演となるカレン・アレンや、ロシア軍の冷徹な女軍曹を演じるケイト・ブランシェットなど、豪華な顔ぶれで見どころが満載です。
遺跡探検ものの冒険映画といえば、今や「トゥーム・レイダー」シリーズや「ハムナプトラ」シリーズにすっかりお株を奪われた格好のインディ・ジョーンズ・シリーズですが、久しぶりにスクリーンの中で動き回るジョーンズ博士の姿は、実にテンポよく、アクションと笑いの配分が絶妙にミックスされたストーリー展開は、エンターテイメント映画としての王者の貫禄をたっぷり見せつけてくれる内容だったと思います。
前作の「最後の聖戦」では、父と子の触れ合いがテーマとなっていましたが、そのテーマは今作でも思わぬ形で受け継がれていて、物語の連続性を失っていない点も見事な演出といえるでしょう。クリスタルスカルの解釈については、あまりに突飛なアイデアが盛り込まれているため、賛否が別れるところかもしれませんが、今度こそ最後の作品になる(かもしれない)今作に、スケールの大きい総集編的な意味合いを持たせた点は、個人的には良かったのではないかと思います。
そして、ここには時代が移り変わり、考古学の意味合いが変わってきてしまったことへのインディ・ジョーンズ流のアイロニー(皮肉)が込められていたのではないでしょうか?シリーズ最終作として観ても全く問題ないような、大円団的な醍醐味がありながら、ラストシーンでの茶目っ気たっぷりの「仕掛け」を好意的に解釈するなら、制作陣とハリソン・フォードからの「まだまだ続編やるよ」というメッセージと受け取れなくもないのが面白いところ・・。これは十分に期待して、続編へのエールを送っていいのではないでしょうか?
風のまにまに号

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