1Q84

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1q84.jpg村上春樹の最新作「1Q84」を買いました。「海辺のカフカ」から7年ぶりの長編小説な上、今回は完全な書き下ろしということもあって、発売まで一切の内容やあらすじが明かされなかったので、発売前から話題を呼んでいたこの作品・・。それだけに、ネタバレするような内容には触れたくないのですが、取り急ぎファーストインプレッションとして、触りだけ書いておきたいと思います。ちょっと「普通じゃない」印象的なシーンから始まるこの作品、読み進めると、『青豆(あおまめ)』と『天吾』という二人の主人公を交互に描く、パラレル・ストーリーの構成になっていることが分かります。青豆という名前(名字です)もまた珍しいと思うのですが、これも何か謎解きのキーポイントになっているのでしょうか・・?主人公二人は、いずれも30歳ぐらいの設定で、今の自分と同じ年代なので、何かと親近感が湧きます。1984年という時代設定も、個人的には思い入れが強く、(正確には1985年ですが)当時小学生だった自分にとって、つくば科学万博に連れて行ってもらったり、スピルバーグをはじめとしたハリウッド映画を頻繁に観に行ったりした思い出が印象的で、外の世界に目が向き始めた時期として、(まるでバック・トゥ・ザ・フューチャーの一節のように)その『年号』が特別な意味を持って、心に強く刻み込まれているのです。

そんなわけで、個人的には想い出深き過去の『特異点』に、大人になった30代の自分がタイムスリップしているかのような錯覚を覚えるのですが、作者である村上春樹にとって、「1984」という時代設定にはどのような意図があるのでしょうか?ぱっと思いつくのは、極めてよく似た題名を持つ、「1984年」という古典SFの名作・・。ほとんど同じタイトルを付けているだけに、村上春樹の「1Q84」もこの作品へのオマージュが込められていると考えて間違いないでしょう。

この作品が書かれた当時から見ると「1984年」は30年先の近未来だったので、ファシズムが横行する『もう一つの未来』を描く風刺小説として書かれたのですが、2009年の現代から見ると私たちが通過した過去の1ページに過ぎません。村上春樹はこの歴史の『通過点』に何を見出し、どんなフィクションとして過去の描き直しをするつもりなのでしょうか?第1巻(BOOK1)で早くももう一つの1984年(=1Q84年)に迷い込んでしまったヒロイン・青豆を取り巻く状況は、「1984年」さながらにテロとファシズムの匂いを感じずにいられません。

さらに村上春樹が「アンダーグラウンド」「約束された場所で」等の取材を通して掘り下げたメインテーマであるオウム真理教との関連を指摘する声や、浅田彰とドクトル梅津バンドが執筆した「1Q84」という同名の書籍との関連もささやかれていて、発売早々、謎が謎を呼びそうな展開です。あえて前編・後編とせずに、「BOOK1」「BOOK2」という副題で出されているところも、さらなる続編に含みを残している証拠なのだとか・・。

秘密のベールに包まれて何かと話題の尽きない最新作ですが、導入からグイグイと惹き込まれる仕掛けと著者独自の世界観に満ちているのは間違いありません。ぜひ皆さんも手に取ってみてはいかがでしょうか?

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多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

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