7/8に中島美嘉のライブツアー「MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2009」東京公演へ行ってきました。今回は前回、前々回のように東京国際フォーラムではなく、NHKホールでの開催・・。私にとっては初めてのNHKホールでの観覧でしたが、国際フォーラムほど横への広がりがない分、縦に広く立体的な奥行きが感じられる印象でした。今回は3階席だったのですが、ステージから見ると真っ正面だったので、彼女の歌声がストレートに伝わってきて、挙動や表情なども自然とこちらへ向かいやすく、よりインタラクティブに感じることができました。相変わらず、中島美嘉の希有な歌声を生で聴けるのは、とても刺激的な体験で、あの小さい体のどこから出てくるのかと思うほど力強く熱唱される歌声を全身で浴びていると、色々と目を醒まされるような思いで、それまで何度も聞いていたはずの歌詞の意味などが、急に心に突き刺さって来たりするから不思議です。今回一番の見どころだったのは「ORION」から始まる星ソングメドレー・・。まるで会場全体が星空に包まれるような幻想的な照明効果も美しく、一日遅れの七夕気分をたっぷりと堪能できる、夢見心地なステージとなりました。

いつもステージの演出や仕掛けが凝りに凝っている中島美嘉のライブですが、今回のステージは黒が基調で、見たところ至ってシンプルな印象でした。いざライブが始まると、バンドメンバーやコーラス隊に続いて、ダンサーやバレリーナが登場するのは相変わらずだったのですが、このシンプルな舞台でいったいどんな演出が行われるのか・・?そんな展開を楽しみに見守っていたのですが、ステージの上段を構成している立体的に組み合わされた台座は、よくよく見ると『菱餅』のような形で、どことなく和風な趣です。
やがて演奏開始とともに、めくるめく光のアトラクションが始まり、ステージのバックに映像が投影されたり、多彩に組み合わされた光線が、時に『花びら』のようになったり、輝く『星』になったり、彼女が身にまとっているタトゥーのような『文様』になったりと、千変万化の様相を呈します。今回はステージそのものをシンプルにした分、この光による演出で観客を様々な幻想の世界へ誘う、というのがこのライブのテーマだということが分かりました。
そう思って、光のショーに身を委ねていると、菱形のステージに林立する緑色の光のラインは、まるで幽玄な『竹林』のようだし、ライブ中盤で歌われた「ORION」のシーンでは、ステージの頭上に突然ミラーボールのような光の玉が出現し、夜空に輝く一等星のようにギラギラと周囲に光を放ちます。この、光のミラーボールが、実は会場中に『星屑』を映し出す働きをしていて、玉が回転すると会場全体がプラネタリウムのようなダイナミックな雰囲気に包まれるのです。こういった「和風」+「星」といったテーマ演出は、もしかしたら七夕シーズンに合わせた、東京公演限定のサービスだったのかもしれませんね・・。


一曲目は新曲「GAME」から始まり、いつも裸足で歌うのをスタイルとしている彼女には珍しく、ミニスカートとロングブーツという出で立ちで登場した中島美嘉。これじゃ歌いにくいんじゃないかな?と心配しながら見守っていたのですが、続いて衣装替えしたドレッシーな姿でも変わらず、常に前傾姿勢で前のめりな歌い方・・。全身全霊と込めて歌うこの体勢は、どんな格好をしていても、彼女にとって不変のスタイルなのかもしれません。
中盤でのMCを挟んだ星ソングメドレー(ORION→見えない星→WILL→STARS)の後のクライマックスでは、レインボー柄に彩られたオーガニックな衣装に身を包んで、「TRUST YOUR VOICE」と「ALL HANDS TOGETHER」の熱唱で大盛り上がり・・。ここが真骨頂と、長い裾を時々まくり上げながら裸足でステージを所狭しと動き回り、飛び跳ねたり、手を振り上げたりする彼女の姿は、歌姫を通り越して、まるで『巫女』のような貫禄を感じさせるのでした。
彼女の歌声が最も真価を発揮されたのが、ギターとのソロで歌う「MY GENTLE MAN」と、ピアノとのソロで歌う「声」のほぼアカペラバージョン・・。マイクを通した声とはいえ、彼女ならではの豊かな声質を存分に堪能できる贅沢な演出でした。元々ボーカルそのものを重視した「声」という楽曲が、ファンサイトのアンケートでも、最新アルバムの中でトップの人気を誇っていたのが、「なかなか分かってるなぁ」と感じさせたものですが、ライブ+アカペラでのこの歌の熱唱も、身震いがするほど迫力あるものでした。
歌詞の中でも「私が生きて いつか この声だけが残って・・」という下りがあるのですが、命を振り絞るようにして歌う彼女の歌声を聴いていると、瞬間「ああ、ほんとにこの人は声そのものになっちゃったよ・・」と感じて、その余韻に半ば呆然としてしまったものです。
照れ屋さんなので、短いMCの間も、終始ファンの掛け合いに『いじられっぱなし』でどこかそっけなかった彼女ですが、ステージ終盤に「本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、最後までペコペコとお辞儀をして、名残惜しそうに去っていった彼女の姿こそが本心だったのではないでしょうか?
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風のまにまに号

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