HOLIDAYS IN THE SUN

| コメント(0)

cd_holidays_in_the_sun.jpgYUIの2年ぶりのニューアルバム「HOLIDAYS IN THE SUN」を聴きました。2年ぶりとはいえ、活動休止直後に出されたカップリングベスト「MY SHORT STORIES」のクオリティの高さや、活動再開後の目覚ましい活躍の数々から、決して長いブランクには感じられませんでした。今回のアルバムには、活動休止中に旅行に行ったりドライブをしたりと、やりたいことをしてリフレッシュしていたYUI自身の姿を投影した、夏にぴったりのホップチューンが多数収録されています。もちろん、「again」や「I do it」などエッジの効いたRockなYUI節も健在・・。満を時して発売された久しぶりのフルアルバムで、ぜひYUIの新しい一面に触れてみてはいかがでしょうか?

個人的には、江の島での一日を描いた「es.car」や、久しぶりにスザンヌ・ヴェガ風の現在進行形で出来事を綴った「Cinnamon」などがお気に入りなのですが、全然パレードっぽくない心境を歌っている「Parade」や、一見するとどこが母に向けた歌なのか分からない「to Mother」など、歌と歌詞のアンバランスさも、YUIらしさが現れていて注目したいポイントです。

YUIは作曲する時に、言葉にならない独特の「YUI語」で弾き語りながら作曲する、というのはよく知られていますが、「GLORIA」では出だしから「あ、あ、あ、あ、あーあ♪」と叫びのまま歌詞がつけられず、サビの部分でも「cryやいやいやい」と、歌詞になり切らない余韻が残されているのが印象的です。

夢に向かってもがく若者の心境を歌ったこの曲ですが、未完成で粗削りのままの歌詞が、かえって聴く人の心を揺さぶるのは、言うまでもありません。YUIの歌は、まるで古代の祈祷師が唱える呪詛のように、魂の根源的な所から湧き出しているのではないかと、改めて考えさせられる珠玉の一曲となりました。

肝心の歌詞の方も、相変わらず辛辣です。「ユメじゃないやいやい 手が届きそうなGLORIA」夢を持つっていいね、などと人はよく社交辞令を言いますが、当の本人からしてみれば、そんな生易しいもんじゃない。近い将来に絶対実現しなくてはならない至上目標なのです。逆に「夢」なんて言葉で語られた瞬間、叶わないことを前提に織り込んでいるという残酷さを的確に見抜いているのでしょう。

音楽活動を休止する理由を「自分に追いつけなくなりそう」だったので、一度立ち止まって「自分と向き合ってみたかった」からだと語るYUI。自らの歌の中でも、自分に嘘をつきたくないと語っていた通りに有言実行した格好ですが、見事に復活を遂げ、ますます深みのある歌と音楽を私たちに届けてくれました。これからも、そんな彼女の旅路を注意深く見守り、応援していきたいと思います。

コメントする

このサイトについて

多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

最近のコメント

バックナンバー