21エモン

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comic20100901-1.jpg藤子・F・不二雄大全集の「21エモン」1巻を読みました。去年の7月から刊行されている藤子・F・不二雄大全集はときどき買っていて、第一期の時もドラえもんやオバケのQ太郎を読んだりしていたのですが、いよいよ第二期も刊行がスタート・・。オバケのQ太郎もまだ読んでないエピソードが多いのですが、ついつい未来っぽい話に憧れて「21エモン」を手に取っていました。昴が生まれてからというもの、昴が成長した将来のことばかり考えてしまい、自分の中では「未来」がすっかりホットなトピックの一つになっているのです。「21エモン」は70年代に21世紀の未来を想像して描かれた、いわゆるレトロフューチャーの代表作ですが、改めて読むと細かいSF設定のリアルさにいちいち驚かされます。私たちの暮らす現在の21世紀とは似ても似つかないほど高度に発達した未来社会ですが、そこで暮らす主人公の21エモンは、しがない旅館の跡取り息子で、平凡な悩みを抱えて暮らしています。どんなにテクノロジーが発展しても、貧富や生まれの差はなくならないし、子供たちは勉強や将来のことについて悩むものなんですね・・。

たくさんのUFOが飛来し、宇宙人たちが高度な文明への道を開いたという設定の2023年の未来。今や宇宙の観光名所となった東京には、毎日何万人という数の宇宙人がロケットに乗って訪れるので、古い伝統だけが売りの旅館「つづれ屋」にも、まだまだビジネスチャンスがあります。家族経営の小さな旅館と言っても、どんな環境の星か、来たお客さんでも泊まれるよう、客室内の大気や重力をコントロールできる設備など、最先端の技術が欠かせません。

「つづれ屋」に訪れる宇宙人たちは、その姿形や生態だけでなく、価値観までもが千差万別というところが、作品の笑いを呼ぶ面白いポイントです。「お金」という概念を持たないササヤマ星人や、あげた物を返されるのが何よりも屈辱と感じるミリオネヤ星人、公転周期がとてもゆっくりなので一度寝たら半年は起きないスロモー星人など・・。これらのエピソードが実際には宇宙人のことではなく、現実の国際問題や人種差別をテーマに描かれているであろう点は、「オバケのQ太郎」や「ジャングル黒べえ」とも共通するF氏のこだわりかもしれません。

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「21エモン」に出てくる未来社会の特徴は、そんな宇宙人との交流の他にも、「子供は午後3時から6時まで毎日必ず遊ばねばならない。」とか「大人になったときの職業は好きなものを選ぶこと。いやな仕事をしてはいけない。」といった、現代の子供が聞いたら泣いて喜びそうな不思議な法律がたくさんあります。さて、そんな法律のおかげで皆がハッピーになっているのかというと、そう簡単にはいかないところがF作品ならではのリアリティーではないでしょうか?

まるで全共闘時代を彷彿させる反政府ゲリラが登場して、21エモンへ向かって未来社会の矛盾を説くシーンなど、子供心に思わず考えさせられます。この反政府ゲリラの一味が、過去に打ち捨てられた地下鉄を秘密の交通手段に使っていたり、古き良き日本の姿を残そうと「昭和村」なんていうテーマパークがあったりするのも面白いところ・・。複雑なルールや設定の上に成り立っている未来社会を、一度に説明するのではなく、あくまでも主人公である子供の目線を通して少しずつ明かしていくという、なんともニクい演出なのです。

そんなわけで、21世紀の今読んでも、子供から大人まで十分に楽しめる本格未来モノSF。この機会に皆さんもぜひめくるめく未来世界に浸ってみてはいかがでしょう?続編の「21エモン」第2巻完結編は12月刊行ということなので、続きが待ち遠しいばかりです。

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多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

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